「皆、おかえり! 無事でなによりだよ!」
レイノルズは明るいが、何処か無理をしている様にも見える。リトラーは変わらず冷静で、マスター達の報告を聞いた。
『……そうか……今はイクティノスが戻った事を喜ぶとしよう』
《悪かったなリトラー、俺が不甲斐ないばかりに》
『そうだな、あとは働きで挽回してくれれば良い』
《……相変わらず食えない男だ》
イクティノスの溜息の後、ラディスロウが最後の制圧目標地点であるミックハイル向かう中、休息の為に腰を降ろし水分補給をする皆の注目はリオンに集まる。先刻の“先に待ち受けるモノ”について、彼は重い口を開いた。
「知っている通り天上側の刺客であるバルックとイレーヌはオベロン社の幹部だ。僕が思うにオベロン社の実態を知っていたのは、最上層部とあの隠された研究施設で働いていた者達だけだろう」
「そういえば、あの2人以外全然人間を見ないわね……今は猫の手も借りたい時でしょうに」
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bkm
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