「まったく……煩い女だ……」
ボヤくリオンの後ろで、スタンがまだ首を傾げている。
「うーん……ルーティ、何で怒ってるんだ……?」
「きっと、スタンさんに元気になってもらいたいんですよ」
フィリアがそう話すと、彼は驚いた様な顔をした。
「そうなのか……?」
「はい……スタンさんが元気だと、周りも頑張れる気がするんです」
微笑む彼女は歩き出すリオンに着いて行く。少し遅れてスタンも施設を後にする為進んだ。
《健気じゃのう、フィリア》
《スタンさんもとんだ罪な男ね。ね、ディムロス》
《何故そこで我に話を振る……我はコイツの様に天然でも無ければ鈍感でもない》
《確かに、時々俺に相談に来ていたっけな……まったく、此方はあまり恋人に会えない状況だというのに……》
《む、昔の話だろうそれは! 何を今更……!》
慌てるディムロス、そこに横入りした溜息。
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bkm
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