少年の眼に悲哀の情をウッドロウは見た。
「君は、これから先に起こる事を分かっているのかい?」
「……ラディスロウで話す、さっさと行くぞ」
歩き出したリオンの後を、少し遅れてフィリアとウッドロウが着いていく。
スタンとルーティは、何故か口論を始めていた。
「大体ねェ! アンタはニコニコと女に愛想を振り撒き過ぎなのよ!」
「俺はそんな事してないって!」
「それがムカつくの! このスカタン!!」
「なっ……何を怒ってんだよ、ルーティ……」
怒りを露にするルーティと、その理由をよく分かっていないスタン。呆れるリオンは2人に歩み寄る。
「いい加減にしろ馬鹿共……痴話喧嘩も大概にしろ」
「ちっ……馬鹿言ってんじゃないわよ! アタシはただコイツがグジグジしてんの見てんのが嫌だから……、……うっさい! 馬鹿!」
早足で先に進むルーティを微笑を溢すウッドロウが追う。
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bkm
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