確かに全ての用事が済んだ以上長居をする理由は無い。外から敵が来る可能性もあり、早く戻るに越したことは無いのだ。

 精神的に辛くとも、敵に囲まれるより遥かにマシだろう。


「ウッドロウ、イクティノスは全快か」

「ああ、コレで彼の本来の力を引き出してやる事が出来る」

《俺も、ウッドロウへのサポートを最大限に発揮する事が出来る。今までの状態はかなり苦痛だったな》


 落ち着きのある男性の声、かつて情報将校だったイクティノスはウッドロウとの相性が非常に良いとリオンは考える。そもそも彼はファンダリアに伝わる宝剣、ウッドロウが幼い頃から互いを知っていると考えれば当然かもしれない。


「リオン君、スタン君の様子はどうだい」

「さあ……此処で立ち直れないならラディスロウに置いていくだけだ……」

「そんな……」


 フィリアが俯くと、リオンは声を潜め言った。


「恐らく、アイツにとって更に辛い現実が待っている……甘い事は言っていられないんだ」


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bkm

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