「奴は何処まで強かなんだかな……レンズの確保の為に世界中を巻き込み、そして道具として使い捨てにしようとしている……常人ならば、こんな事思いつきもしない」
本当に何者なのか、その息子である己にも同じ疑問を向ける。
何の為に父を越えようとしていたのか、その決意さえも霞みそうになる。
《……あ、イクティノスの声が聞こえる》
シャルティエの言葉に2人は顔を上げた。リオンは壁から離れ奥へ向かうが、スタンは動かない。
途中ルーティとすれ違い、姉弟は足を止める。
「アイツ、まだウジウジやってんの?」
「……さあな」
答えになっていない答えを返しリオンは足を進めた。
そこではウッドロウがイクティノスに声を掛けており、フィリアは安心して胸を撫で下ろしている。
「成功した様だな」
「はい、上手くいきました。システムのフリーズも完了しています。それでレイノルズさんが、早めに戻ってきてほしいと……此方の事、大体分かっているみたいでしたが……」
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bkm
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