イレーヌの頭上に巨大な光槍が現れ最前線のスタンを狙う。それが撃ち出される直前リオンが黒槍を投げつけ軌道を目標から逸らした。
まだ注意を完全に引き付けていないのか、詠唱時間の確保は叶っていない。
「その犠牲はイレーヌさんですか!? それとも街の人達ですか!? その犠牲で、どれだけの人が救えるっていうんですか!!」
「君が言っているのは全て綺麗事よ! 人に恵まれて、環境に恵まれて、人間を疑う事を知らないからそんな事が言えるのよ!」
リオン以外の者達も感じた、あの時と重なる今のイレーヌを。
彼女は叫んだ。
「皆大っ嫌いよ! 自分勝手な人達なんて、大っ嫌い!!」
絞り出した叫びと共に天井近くに巨大な陣が展開し、そこから光の束が降り注いだ。後方はフィリアの障壁で防ぎ、前衛の2人は距離を調整しながら避けていく。
リオンが言葉をぶつけた。
「自分勝手なのはお前の方だろう! 出来ないから嫌になって壊そうとする、ガキと同じだ!」
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bkm
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