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《障壁展開状態で術を行使するか……!》

《少し傷をつけた所で、すぐに耐久力は再生されるわ。一気に晶術で大ダメージを与えなければ……》

《それが出来るのは……》

《フィリアと儂、じゃの》


 戦闘方針は決まった、後は如何に詠唱のサポートをするか。今現在もイレーヌからの術攻撃は続く、避ける事は苦ではないがそれでは詠唱時間が確保出来ず勝利は掴めない。

 術では高確率で押し負ける、物理的な妨害によって前に注意を引くのが望ましいだろう。


「……リオン、俺がやる!」

「何……?」

「あのままだと、イレーヌさん死んじゃうんだろ……!? そんなの……俺は嫌だ……!」


 氷槍を斬り防ぎ、青年は叫ぶ。


「こんな事やって死ぬなんて、無責任過ぎるだろ!」

「……!」


 バルックは最初から決めた道を歩いていた、だから青年も多くは語らなかったのだろう。だがイレーヌはどうだろうか、言動は1つ纏まらず、そのくせまるで子供の様に駄々を捏ねる。

 夢を語り、行動を起こしておきながら、彼女は無責任にそれを捨てようとしている。


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bkm

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