16

 そしてアトワイトが言った自殺行為という言葉の理由も、納得出来た。


「力の意味を履き違えたかイレーヌ!」

「力は力よ、人を支配するには力が必要だもの」


 それが常識だと言わんばかりに彼女は答え、何十もの光の槍を作る。


「私は……もう弱くなんかない……!」


 本来の目的すら見失っている。最早何を言っても無駄、止めるには障壁を破り実力行使に出るしかない。

 光槍は一斉に撃ち出され、ソーディアンマスター達を狙った。


《威力の減退も無い……あの状態だと幾らでも撃ってくるぞ!》

《彼女の体力が尽きるのが先か、私達が敗れるのが先か……持久戦では圧倒的に不利だわ》


 レンズを取り込んだ彼女の体力が何処まで持つか分からない以上、彼女の自滅を待つのは此方の自滅を呼び込む。

 何としてでも、あの障壁を破らなければならない。


「獅子戦吼!!」


 術を掻い潜ったスタンによる攻撃はすぐに無効とされる。物理面で破るというのは難しいようだ。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -