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「……そうね、それで、貴方達を止められるとは思っていないわ……あの数、流石に操りきれないもの」


 障壁を展開したままイレーヌは、一度腕を横に奮った。すると頭上に氷柱が召喚されルーティを狙い撃ち出される、身軽な彼女は当然避けた。

 しかし、イレーヌが詠唱をした様な素振りは見受けられない。


「……お前、自分に何をした」


 リオンの問いに、イレーヌは微笑んだ。


「私は、コングマンみたいに皆の注目を集められる力も無ければ、バルックさんみたいな才能があるわけでもない……皆、私を見てくれないのは当然よ……私には力が無いんだもの……」


 彼女の両手の甲に、鈍く輝く結晶体が埋め込まれている。それが一体何なのかは、考えるまでもないだろう。


《レンズを……直接体内に取り込んだのか……!》

《無茶だわ、自殺行為にしかならない……!》


 レンズはエネルギーを有する物、それが体内にある。機兵を纏めて操る理由も、零詠唱で術を使える理由も説明がつく。


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bkm

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