それとも、と考えられる可能性は1つだけ。


「……イレーヌ、お前の選択を後悔させてやる」

『そう……じゃあ、頑張って此処まで来てちょうだい、話はそれからよ……』


 飛び掛かって来る四足歩行の機兵をリオンが斬り飛ばしたのを合図に、全てが機械の施設の中を彼等は駆けた。

 相手の統率性は戦う事で更に際立ってくる。


「くっ……詠唱が……」


 今まではただ数で勝負してきていたが、今は2メートル以上ある巨人型を複数体前衛にぶつけ、その間を巧みに抜けた小型の空戦機兵が後衛2人を襲う。相手にするだけなら大した問題は無いが、詠唱時間が確保出来ずに前衛への支援が出来ない。

 前衛は大型の後ろから射撃型の機兵が絶えずビーム――動力はレンズエネルギーである上に威力が低い為ソーディアンの防御支援で防ぐ事は出来るが、晶力を使った攻撃が行えない――を撃ってくる故に防戦を強いられていた。


「くそっ……埒が明かないぞ……!」

「……スタン! ウッドロウ! 無理矢理でいい、活路を開け!」


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bkm

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