マリアンが紅茶と茶菓子を用意し、庭で3人でのティータイムが始まった。
「バルックさんって凄いわ、不毛の地っていうと失礼だけど……あの地で、あんなに商業ルートを確立させるなんて」
「カルバレイス人は外部には手厳しいというしね……彼の行動力は凄いと思うよ」
「そうだな……凄い男、だな」
視線を落とし呟く彼に気付いたイレーヌは、一度セシルを見る。彼女は視線に気付き首を傾げた。
「セシル、リオン君ってどのくらい強いの?」
「ん? そうだなァ……その辺の軍人には負けないだろうね。私も真剣勝負だったら負けるかもしれない……リオンにだったら負けてもいいかなって思うけど」
「どうして?」
「んー……どうしてだろうね……上手く言えないけど、リオンが強い事が嬉しいからかな」
笑顔で彼女が言うと、リオンは更に俯いた。先程は視線逸らすという感じだったが、今は表情を隠すという感じに見える。
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bkm
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