庭で王国客員剣士の地位を得たばかりの少年は模擬剣で素振りを続けていた。そこに同じ地位を得た彼女はやって来た。


「リオン、イレーヌが来たよ」

「イレーヌが……?」


 素振りを止め彼女の方を見ると、イレーヌが現れる。


「久しぶり、リオン君」

「ああ……どうした、急に」

「バルックさんの所に行った帰りなの、フィッツガルドとカルバレイスの流通について話し合いで」

「わざわざカルバレイスまで行ったのか……随分と働くものだな」


 近くにあるベンチに腰を降ろし返すと、イレーヌは小さく笑い更に返した。


「私の方がビックリよ、2人揃って客員剣士になるなんて……大丈夫なの……?」

「自分で決めた事だ、イレーヌが心配する必要は無い」

「そう……でもセシルが一緒だし、大丈夫よね」

「……セシルは関係ないだろ」


 顔を背けるとイレーヌは失笑し謝罪する。


「ごめんなさい、リオン君が強いのは私も知ってるのに」


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bkm

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