14

 天上で彼は告げた。


「世界の支配なんぞ人間には無理だ。仮に成功したとしても、間違いなく何時か争いが起こる……それが人間というものだ……高望みは身を滅ぼすぞ」

『……君は変わった……いえ、それが本当の君なのかもしれないわね、その強い意志が羨ましいわ』

「……後戻りは出来ないのか」

『私……過去を振り返るのってあまり好きじゃないの』


 決別の言葉、ならば道は1つ。


『皆、きっと次は此処に来るわよね……待ってるわ』


 通信は此処で終わり、重い沈黙が降りる。次の敵は決まった、彼等がするべき事は1つ。

 ルーティがスタンに発破を掛けた。


「アンタ、手を抜くんじゃないわよ」

「分かってるよ……イレーヌさんを止められるのは、俺達だけだもんな」


 彼も覚悟は決まっているのか、その眼の意思は強い。

 しかし彼は小さく溢した。


「でも……やっぱりこんなの虚し過ぎるだろ……」

「……今更だ」


 少年もその言葉を溢す。


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bkm

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