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 スタンが問う。


「イレーヌさん……貴女はノイシュタットの貧富の差を無くす為に頑張ってきたんじゃないんですか? 今の貴女が言ってる事じゃ、ノイシュタットは救われないですよ……!」

『……そうね、何れはノイシュタットの人達も選別しなきゃならないわ。でも仕方ない事よ、身勝手な人達がそう簡単に変われるわけないもの……仕方ないのよ』


 まるで自分に言い聞かせるかの様に彼女は答えた。


「……先のバルックと似ているが、根本的に違うな。彼は命を賭けて同胞を救わんとしていたが、彼女は理想を歪めて支配という選択肢を選んでいる」

「……以前会った時は、その様な方ではなかったのに……」


 ウッドロウの言葉にフィリアが俯く。

 リオンが変わってしまった彼女にぶつける。


「確かに人間は簡単に変わらない、力で支配した方が楽だろう。だがそれは千年前に失敗している……支配する側も所詮人間、神にはなれない」


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bkm

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