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 虚ろと言ってもいい、彼女はどんな表情で語っているのか。

 そしてルーティは鼻で笑った。


「随分上から目線で言ってくれるじゃない、何だかんだ言って結局アンタもただのお貴族様……いえ、今は天上人って言った方がピッタリかもしれないわね。きっと千年前もこうだったんだろうって、お陰様で実感出来たわ」

『変化に対して最初の反発が大きいのは当然だわ……でも争いの無い世界は人類の最大の夢よ。過激な思想を持たない人間と過激な人間を分ければ、天上は争いの無い豊かな世界になる……心が満たされた豊かな世界なら争う必要性は無くなる……貴方達だって、コレ以上傷付く必要は無くなるのよ』


 決して厳しいモノではない、彼女は優しく語る。だがディムロスは言った。


《綺麗に聞こえるが、立派な天上思考だな。人間が人間を見下し、選ぼうとする、規模が違うだけで今の世界と何も変わらない。
 真に争いの無い世界にするには、今の人間が人間であるという定義を捨てなければならん》


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bkm

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