しかし結局、特別何も起きないまま指令室へと到着した。
「操作して何か起きる……なんて事はないでしょうね」
「大丈夫だとは思いますが……」
フィリアが端末の操作を始め、基地のシステムをフリーズさせていく。その作業も数十分で無事に終了し、レイノルズからの通信が入った。
『システム停止を確認したよ、コレで……ん、何だ……? ヘルレイオスからロディオンへの緊急回線……?』
彼の言葉の後、部屋に“誰か”の声が響いた。
『……えるかしら……ソーディアンマスターの皆さん』
その声の主を知る者は、マスター達の中に居る。
「イレーヌ……!」
『その声はリオン君ね……久しぶり……って、言っていいのかしら』
イレーヌは覇気の無い声で笑う。
スタンは声を上げた。
「イレーヌさん! どうして貴女まで……!」
『スタン君……答えは簡単よ……』
彼女は、冷えた声で告げた。
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bkm
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