「しかし、その選択肢を選ぶにはまた別の問題がある……という事かな」
科学者はウッドロウの言葉に再び頷き、理由を話す。
「クルーザーを使用した場合ラディスロウからの通信は完全に遮断されるどころか、君達の現在位置すら確認出来なくなる。コレはやはり、あの鏡面バリアーが原因なんだ。
情けない事に、何度も突破しようと試みたけど駄目で……あの設計図にもヒントは無くてね……」
つまり、完全にラディスロウからのバックアップを受けられなくなるという事。確かに、この問題があっては簡単にクルーザーを選択するわけにはいかない。
リトラーが口を開く。
『鏡面バリアーの動力は神の眼、エネルギーの発信はベルクラントだと思われる。つまり君達が天上軍に勝利しない限り我々は救出にも行けず、ただ待つしか出来ない……その重荷を君達に背負わせるのは、1人の軍人としても男としても、やはり簡単に首を縦に振る事は出来ない』
「リトラーさん……」
『……戦争は何時だって理不尽なのだよ』
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bkm
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