「コレで、大半の防衛システムが暫く無効となる筈です」
彼女が端末から離れると、レイノルズからの通信が入った。
『機竜の墜落を確認したよ、システムのダウンに成功したんだね。これからラディスロウを浮上させてそっちに向かうから、出来たら入口近くで待機していてくれるかな』
此方の様子を察してなのか、彼は多くは言わず通信を切る。
「……出るぞ、此処に様は無い」
「うん……」
部屋の隅に転送装置があり、皆は無言でそれに乗った。
転送先は、あまり広くない小部屋。
「あの虫、多分もう出てこないでしょうね」
《恐らくね……、彼が虫達の制御システムみたいなモノだった様だから》
「……そう」
部屋を出て進むが、確かに虫が出てくる気配は無い。これなら入口近くでラディスロウを待つ事が出来る。
口数少ない彼等は、不気味な程に静かな施設の中を歩く。
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bkm
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