「じゃあ君は、そのモンスターに……」
「はい……」
モンスターを目の前にした時の恐怖が蘇ったのか、スタンの問いに頷きながら肩を震わせる。
「私は恐ろしくなりグレバム様の真意を尋ねました。するとグレバム様は、私に言ったのです、私と共に来い、と……。
私は拒みました。その直後、まるでモンスターがグレバム様の意思に従う様にして私に……」
フィリアは一度言葉を切り、アイルツに問う。
「司教様、あの巨大なレンズの様な物体は一体……」
当事者である彼女だけが知らない。
アイルツは普段よりも低い声色で、答えた。
「――神の眼だ」
「……! アレが……ああ、私は、私は……!」
神の眼について何か知っているのか、泣き出しそうになるフィリアをアイルツが宥める。
その間にディムロスが檄を飛ばした。
《一刻も早くグレバムを追わなくてはならんぞ》
「そうだけど……グレバムが何処に行ったかどうか――」
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bkm
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