「俺は……負けたくない……! 地上で生きてる皆の為にも……俺達を生かしてくれた、セシルの為にも……!」
「……やはり、君は若いな」
バルックが不意に体重を後ろに掛けたかと思いきや、彼はすぐに足に力を込め全体重を載せたタックルをスタンに浴びせた。それによって青年の身体は吹き飛ばされ、ウッドロウを巻き込んだ。
防御体勢を取っていたとはいえ身体をすぐに起こす事が出来ず、肺の中の空気も一気に外に出てしまい瞬間的な過呼吸に陥る。
「スタン君!」
巻き込まれはしたがスタンのおかげでダメージが最小限に抑えられたウッドロウが意識の有無を確認した。
それは大きな隙としか言い様がないが、ウッドロウはバルックが此方を狙ってくると分かってその行動を取った。
「応えろ、イクティノス!」
彼の手の中、周りにもソーディアンの姿は無い。その剣は、走り出そうとするバルックの頭上――天井付近で陣を開く。
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bkm
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