前衛のスタンとウッドロウを狙う虫をリオンがスピードを活かし足止めする。
「こんなの……認められるわけないだろう……」
《坊っちゃん……》
空を飛ぶ虫を真っ二つにし少年小さな溜息を吐く。
スタンはバルックの堅さに悪戦苦闘している。
「くそっ、全然通らない!」
《皮膚をレンズエネルギーで硬化している様だが、体内にどれだけエネルギーを取り込んでいるのだ……並の晶術では通らんぞ》
「でもフィリアは……」
虫達の数は非常にという言葉が生易しい程に多く、前衛以外の3人は対処に追われている。そしてバルックは強く、硬く、そして速い、前衛が欠ければまずサポートから潰しに掛かるだろう。特に晶術特化のフィリアの場合彼女の術が無ければ虫の進行を抑え切る事は出来ず、間合いを詰められた時対処出来ない可能性が高い。
スタンとウッドロウは間合いを取り、勝つ方法を考える。
「ウッドロウさん、どうしたら……」
「やはり晶術であの装甲を破る他無いだろうな……私がその役を担おう。スタン君、君はありったけの力を彼にぶつけてくれ、それが己の道を定めた者への最大限の礼儀だ」
「……はい」