12

 まさかと最初に呟いたのは誰だったか。


「私はこの選択を後悔しないだろう、そういう人間、だったからな」


 彼の手が突然異物に覆われ、それが全身に広がっていく。皆はそれを、茫然としながら見た。


「スタン君、君の性格を考えると私を説得するだろう。だがそれは無用だよ、後戻りするつもりは無いからね」


 全身を異物で覆われた彼の姿は人の形をしてはいるが、それは人ではない。

 まるで、人の形をした虫だ。


「生物の、人工モンスター化……!」


 フィリアの言葉が正解だろう。

 そして彼の言動を考えるに、彼は望んであの姿になったのだと思われる。


「世界は再び天と地に分かれた、我々が天、君達が地、分かり合う事は無い。君達が地上の解放を望むのなら、私はそれを阻止するまでだ!」


 バルックは床材を捲り上げ、それをソーディアンマスターに向けて投げ付けた。当然皆はそれを避けソーディアンを構える。


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bkm

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