女性2人は短い悲鳴を上げ、詠唱を開始する。男性陣も異様過ぎる事態に狼狽えながらも、足の速い虫達に晶術を発動した。
「イラプション!」
「エアプレッシャー!」
「エアスラスト!」
飽くまで冷静に勤める男性陣に対し、女性陣は恐怖のままに詠唱を完了させる。
「タイダルウェーブ!!」
流石に規模は控え目だが、恐怖を具現した水は虫達を押し返す。
5人は水流により発見した階段で急いで上へと進む。
「何なの! 何なのよアレ!」
《アレは……自然発生した様には見えないわ……》
「まさか、レイノルズさんが言ってたあの実験が……!?」
《……何にせよ、進み確かめるしかない》
人はあんなモノを生み出せるのか、フィリアだけではなく他の者達も人間の恐ろしさを実感する。
虫達が着いて来ている様子は一見では見受けられないが、彼等の足は止まらなかった。恐怖、それが先に進む糧となっているのかもしれない。
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