施設内は話の通り、とにかく緑に覆われていた。クレメンテの話では、千年の間に植物としての本能が働き続けた結果らしい。

 通路には木の根が茂っている箇所もあり、すんなりと進むのは難しい様だ。


「ていうか何か、蒸し暑いっていうか……」

「恐らくこの植物のせいですね。限られた水の循環を出来る限り効率良くする為に独自に進化したのかもしれません」

「千年の時があったのだ、進化しても何もおかしくはないか……しかし、敵の気配が無いな」


 ウッドロウの言う通り、相手は此方の侵入に気づいている筈なのに機兵の姿は見えない。見張られている状態なのか、それとも相手もこの植物群に手を焼いているのか。

 とにかく上へ、彼等は植物を退けながら階段を探す。


《クラウディスのプラント自体は当時出来る限り再起不能にしたが、アンスズーンでの事を考えると裏があると見ても良いだろうな》

《今回のその裏は、動物を素材にした生体兵器研究……凍結のままであってほしいわ》


prev next

bkm

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -