二人が勧める像を見て、彼女は首を傾げた。
「生きてるみたいというか、コレは――」
「フィリア!?」
セシルの言葉を遮り、アイルツが像に駆け寄る。
スタンとマリーは首を傾げていた。
「ああ、何という姿に……!」
「え、コレって飾りじゃ……」
「彼女は、この神団の司祭なのです……!」
「ええ!? ほ、本物!?」
スタンとマリーが驚き、像の周りに皆が集まったところでセシルがパナシーアボトルを取り出す。
「この感じだと、モンスターが原因みたいだね」
蓋を開け、ボトルの中身をフィリアと呼ばれた石像に振り掛けた。
液体が掛かった所から像は生身に戻っていき、完全に人の姿を取り戻し倒れそうになる彼女をスタンが抱き止める。
「う……私は……」
「フィリア!」
「――アイルツ、司教様……?」
スタンに支えられながらゆっくり腰を降ろしたフィリアは、司教の姿を確認した途端顔を青くする。
prev next
bkm
[back]