ルーティの言葉に、アトワイトが何時もの様に呆れる。
暫く薄暗い地下を進んだ後、最奥にある扉をセシルが開いた。
「――! コレは……!?」
アイルツが声を上げ部屋に飛び込む。
室内は荒らされているどころか、何かを祀っていたらしき祭壇は破壊されていた。祀っていたモノを運び出したのか壁も破壊されており、そこから入る太陽光が部屋を明るくしている。
「何という事だ……神の眼が……!」
《遅かったか……!》
ディムロスが忌々しそうに呟く。
皆破壊された祭壇を前に落胆の意が隠せないでいる中、スタンとマリーはある物を見て唸っていた。
「何かこの像、凄いですよね」
「ああ、流石は大神殿と言った所か」
「ですよね。特にこの、この世の恐怖を表した様な表情が――」
眼鏡を掛けた女性の石像を賞賛する二人に、セシルが近寄る。
「何をやっているんだい?」
「セシル、見てくれよコレ、生きてるみたいだろ?」
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bkm
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