空が青い、それだけで平和だと感じる自分はおかしいのだろうか?
「セシル!」
「ん、何、坊っちゃん」
「坊っちゃんは止めろと言った筈だ」
「悪い悪い……で、何だい、エミリオ」
こうやって彼の真の名を口にする事でさえも。
「新しい任務だ、盗掘者がハーメンツの宿に居ると知らせが入った」
「盗掘者……君が出るとなると余程の大物なのかな?」
「――それは…」
《強欲の魔女ですよ、セシル》
「シャル!!」
彼が意思有る剣に叱咤する。
何時もと変わらない光景だ。
「強欲の魔女と言うと……ルーティ……カトレット?」
「……ああ……その上、ソーディアンを所持しているらしい」
「ソーディアン……! ……成る程、君が駆り出されるわけだ……彼も一枚噛んでいるわけだね?」
「全てお見通しか……」
彼は苦笑し小さな溜息をつく。