外郭を進みイグナシーへ向かうクルーザー。そのスピードは非常に速いが、フィリアの操縦には何処か余裕があった。
「この調子なら、イグナシー到着まであと10分くらいですね。レイノルズさんの頭脳……見習いたいものですね、フフッ」
一瞬黒い彼女が見えた気がしたが、皆見ないフリをした。
到着予定まであと7分となった所に通信が入った。
『通信相互はやっぱり不可か……じゃないや、皆気をつけて! そっちに空戦機兵が向かってる! 3時と9時、数35!』
「やはりか……フィリア、屋根を開けろ!」
「ハイッ!」
リオンの指示で屋根が開き、クルーザー内に強い風が入る。フィリア以外のソーディアンマスターは飛ばされぬ様に立ち上がり、通信内容を確かめた。
「……あ、右から来てる!」
「9時方向、間違いないわ!」
眼が良いスタンとルーティの言葉を合図に皆ソーディアンを抜く。流石に降りて戦うわけにはいかず、フィリアを除く全員詠唱を始めた。
prev next
bkm
[back]