指定された場所に流線型それはあった。言われた通り搭乗スペースは少々手狭だが、ガラスの様だが明らかに違う屋根もしっかり付いている。
皆はフィリアを先頭にして順に乗り込み、彼女がレバーやパネルを見て操縦方法を確認する。
「コレが加速、減速、旋回、マップの拡大……よし、大丈夫です!」
《肩の力を抜くのじゃぞ、儂もサポートするからの》
「ありがとうございます、クレメンテ」
スイッチを入れクルーザーがスタンバイ状態になると、レイノルズからの通信が入った。
『うん、流石にまだ通信の相互は大丈夫だね。シャッターを開けた瞬間にバリアを一時的に解くよ、最初からトップスピードで抜けちゃって!』
「分かりました! 皆さん、掴まっていてくださいね!」
4人は体重を落とし未知の領域に息を飲む。直後レイノルズのカウントダウンが始まった。
『よし、シャッター開放5秒前! 4、3……』
ソーディアン達が今一度誓う。
《この任務、必ず完了させるぞ!》
《もちろんよ》
《当たり前さ!》
《老兵の力、天上に再び見せつけてやるわい》
シャッターが動き出す。
『2……1、シャッター開放!』
「それでは、行きます!」
勢いよく開かれたシャッターをクルーザーが抜け、予想以上のスピードでラディスロウから離れていった。
そして眼前に広がる未完成の大地。
「……セシル」
遺志を、繋いでみせる。
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