「単刀直入に訊く、神の眼は何処にある」
「――それ、は……!」
動揺を見せたアイルツは口を閉ざす。その様子から、彼は遺物についてよく知っている事を二人は悟る。
「僕達は国王陛下の勅命の下、神の眼の安否を確かめなければならない」
「しかし、アレをお見せするには……」
「司教殿、我々は神の眼について詳しく知りませんが……もしもグレバムが神の眼が目的で反乱を起こしたのだとしたら、神団の手には追えない事態なのでは……?」
「……分かりました、私が神の眼の所まで案内しましょう……」
掟よりも“もしも”の災いへの対処への道を選んだ彼にセシルは礼を言い、一人スタン達の下に戻った。
「行こう、もしかしたら私達の行き先にグレバムが居るかもしれない」
「分かった。この人達はどうするんだ?」
確かに、知識の塔に閉じ込められていた人達をこのままにはしておけない。
暫しセシルは考え、周りに敵の気配が無いのを考慮し告げる。
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bkm
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