笑いが止まらないルーティは手で口を押さえ堪える。
リオンは行き場の無い怒りに歯を食い縛る。
「あーくっだらなー……悩んでるのが馬鹿らしくなってくるわ。スタンには一緒に悩むからとか言われるし……スカタンにあんな事言われたら、強欲の魔女形無しよ」
「フン、くだらん」
「あ、言うの忘れてたけど、アンタなんかちょっと眼赤くない?」
「……!?」
無意識に彼は目元を隠そうとしたが、すぐ冷静になり意地の悪い笑みを見せる彼女を見て気付く。
「この……!」
「アハハ、やっぱ泣いてたんだー。なんかウチのチビ達が泣いた後の雰囲気に似てると思ってたらドンピシャ!」
「……っ! 笑うんじゃない!!」
逃げ出したルーティをリオンが追う。
《まったく……ルーティもさっきまでスタンさんの腕の中で泣いてたじゃない》
《えっ、スタンとどういうやり取りしてたの?》
《それは秘密よ》
姉と弟に、きっとなれる筈。
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bkm
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