急な話に不思議そうな顔をすると、ルーティはそれを言い放った。
「アンタ“セインガルドの薔薇”なんて呼ばれてんのよ? しかもその内容が、女性でありながら如何なる敵をも薙ぎ倒す美形剣士って……何でこうなったんだか」
「…………」
空いた口が塞がらないとはこういう事を言う。シャルティエは笑いを堪えている。
「な……は?」
「大変ねェ、客員剣士サマ。しかもファンクラブまであるわよ」
「ハァ……?」
どの様な反応が正解なのだろうか。呆れたいが自分の事であり、怒りたいが噂の場所が遠過ぎる。哀しむにはくだらなくて、笑い飛ばすには衝撃的過ぎる。
ルーティは笑っているが。
「あー、そう考えるとアタシの鼻が高いっての? でもそれじゃ弟じゃなくて妹……フフッ」
「笑うな! 他人が勝手にほざいていり事だ、僕には関係無い!」
「うんうん、強く生きてちょーだいな。……ンフフ」
prev next
bkm
[back]