単なる想像でしかない、全く確証の無い話。

 だが胸が痛み、涙が溢れる。


「シャルのくせに……!」

《だって、僕はずっと坊っちゃんと一緒だったんですから。確かに最初は、生意気で可愛げが無いとか思ってましたけど……僕は大衆の期待を背負う軍人より、個人に仕えている方が合ってる事に気付いてからはとても楽しかったんですよ。そしてそれを気付かせてくれた坊っちゃんを全力でサポートするのが、僕の使命ですから》

「…………」


 壁に背を預け少年は涙を拭う。その間もシャルティエは明るく声を掛けていた。

 そこに通り掛かった2人。


「リオン!」

「……!」


 そこに誰が居るのかは分かっている、だから顔を上げる事が出来ない。

 彼女が口を開いた。


「……スタン、悪いけど先行っててくれる?」

「……うん」


 スタンが去って行き、ルーティは少年から少し離れた壁に背中を置く。


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bkm

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