「セシル!」

「リオン、無事で何よりだよ」


 司教達が閉じ込められている知識の塔の前に集合した一同。

 手短に報告をし合い、互いに役目を果たした事を知る。


「よし、じゃあアイルツさん、開けますね」


 断りを入れてからスタンは、ドアの取っ手に手を掛けた。

 ゆっくり押す力を与えるとドアは開き、中に居た神団服に身を包んだ者達が静かに解放の歓声を上げた。

 彼等の先頭に立つ眼鏡を掛けた男性が、静かな歩みで進み出る。


「ああ……ありがとうございます。私がアイルツです」

「良かった、怪我は無さそうですね」


 見る限りでは負傷者が居ない事に、スタンやルーティ等は一先ず胸を撫で下ろす。

 喜びの余韻が残る中、セシルがアイルツに声を掛けた。


「司教殿、詳しい話が聞きたいので此方に……」

「は、はい」


 アイルツは、セシルとリオンと共に扉から離れた。

 リオンが緊張している司教に問う。




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