何時もはハッキリと意見するスタンが珍しく歯切れが悪い。だから余計にコングマンを苛立たせた。


「なんでェ情けねェ! こんな野郎に世界の命運が掛かってるってのか!」

「コ、コングマンさん……」


 きっと彼は危険な戦地へと向かう青年にもっと気合いを入れてもらいたいのだろう。制止するフィリアもそれはよく分かっているから強く出ることが出来ない。

 それを見かねてか、それとも別の理由か、コングマンを黙らせようとリオンが声を上げるより先にルーティが言った。


「このスカタンは甘ちゃんだからウジウジ悩んでんのよ。当の本人は何とも思ってないってのにねェ」

「……どういう事だ?」


 マリーが訊く。

 彼女は笑いながら答えた。


「何かさ、ヒューゴってアタシの父親らしいのよねー」


 皆から表情が消えた。

 だが彼女は続ける。


「あ、それに関してはべつに何とも思ってないのよアタシ。だってあんな愛想の欠片も無い奴が父親だなんて此方から願い下げだもの。
 そうそう、もっと面白い話があんの。マリーはリオンがヒューゴの息子だって知ってるでしょ? だからさ、リオンはアタシの弟なんだって、笑っちゃうわよ」


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bkm

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