沈黙の中に声が聞こえ、リオンは顔を上げた。
開かれた扉の向こうからスタン等が現れる。どうやら皆無事で、目的も果たせた様だ。
「ゴメン、ちょっと遅くなったかな」
「ちょっと所じゃない、何を遊んでいたかは知らんが……大荷物で帰ってきやがって」
コングマンが担いでいるのは例のガーディアンとやらの身体だろう。壊れていても、千年前の技術の凄さが見てとれる。
「まさか、それがRキーなどと世迷い言は言わないだろうな」
「いや、Rキーはコレだよ、何か普通の鍵だよなァ。そんでアレは、千年前の技術を有効活用しようってルーティが」
「ばっ……!」
慌てるルーティ、冷やかな眼のリオン、朗らかなスタン。
一時の安息はすぐに打ち破られた。
『地上の民の諸君、2つ目の天光をくれてやろう!』
天から響く声、分からない筈がない。
直後、破壊音と軽い地響きが起きた。
《ベルクラント……! スタン、急いでラディスロウに戻るぞ!》
「お、おう!」
時は平等、待ってはくれない。
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bkm
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