「……ルーティの事を支えてやってくれ」
「え……?」
予想外の言葉に落としていた視線を上げると彼女は微笑を浮かべた。
「ルーティは自分の気持ちを表に出そうとはしない、私は嫌われたくないと考える意気地無しだから彼女の言葉を待つしか出来ない。だがスタンは、自然と相手の心を引き出す力がある。きっとルーティも、心の何処かではスタンを頼っている筈だ」
「そんな……俺なんて、何時も馬鹿やってばっかりでルーティや……リオンに怒られてばかりなのに……」
「だが、その分周りを助けてる。きっとお前が居なかったら、皆にここまで纏まりは無かっただろう」
「マリーさん……」
ただがむしゃらに前に進んできただけ、故に青年には分からない。
だが、自分を再確認出来た様な気がした。
「ありがとうございます、マリーさん」
「……ああ、皆が待ってる、行こうか」
「はいっ」
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bkm
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