口を閉ざしていたルーティは、ガーディアンの残骸を眺めて不意に呟く。
「コレ、持って帰ってもいいかしらね」
「どうするんだ」
マリーが用途を訊くと、まあ予想通りの答えが返ってきた。
「レイノルズに売――渡すのよ。千年前の技術なら飛び付く――じゃなくて、調べたら今後の為になるんじゃないかと思って」
《本音がだだ漏れじゃない》
「う、うるさいわね……」
そんなわけでとルーティはコングマンに残骸を運ぶ様に命令する。当然コングマンがそれに従う筈が無かったが、“フィリアにカッコイイ所を見せるチャンス”と言われたら運ぶしかない。
戻ろうと皆が歩き出した時、マリーがスタンを呼び止めた。
「どうしたんですか、マリーさん」
「うむ……分かっているかもしれないが、ルーティについてなんだが」
「…………」
青年は何も言えず押し黙る。何か言わなければと焦れば焦る程それを悪化していた。
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bkm
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