12

 笑ってはいるが、確かにルーティの表情は優れない。

 スタンも声を掛けた。


「なあ……、無理しなくても大丈夫だぞ」

「無理なんかしてないわよ……」

「嘘つけよ、無理してるに決まってるだろ……!」

「……だから何よ、アンタには関係ないでしょ!? 黙ってやる事やったらそれでいいじゃない!!」


 怒声だけが響く。

 その後にやって来たのは重い沈黙。


「……Rキーを手に入れて、ダイクロフトに乗り込む……それだけでしょ」

「そ、そうだけど……」

「ならさっさと行きましょ。さっさとやって……空で笑ってるヒューゴに地獄を見せてやるわ」

「ルーティ……」


 ディムロスとアトワイトが言葉を交わす。


《人選を、誤ったかもしれないわね……》

《いや、アトワイトが居るとはいえ実質1人だ……1人にしておく方が心配……そうだろう?》

《ええ……言い方は悪いけれど、リオンさんはヒューゴを元から快く思っていなくて、ルーティとの関係も最初から知っていたみたいだから、まだ大丈夫、だと思うわ。でもルーティは……いきなりの話で、私の言葉も届かない……》


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bkm

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