その頃スタンは、上の階に到着し天井近くに浮いている結界石を見上げていた。
「よし、行くぞディムロス!」
《了解した!》
家の仕事で自然と鍛えられた脚力で跳んだ彼は、炎を纏ったディムロスを頭上に構える。
自分の攻撃範囲内まで近づいた結界石に、力一杯剣を振り下ろし破壊した。
「よし!」
《お前にしては上出来だな》
「もっと素直に誉めてくれたっていいだろー?」
《我のマスターになっからには、常に緊張感を持ってもらわなければ困るからな》
まるで指揮官の様なディムロスにスタンが溜息をついていると、セシルがやって来た。
彼女は彼等の様子から、結界石が破壊された事を悟る。
「やったんだね、スタン」
「ああ、セシルのおかげだよ!」
「そんな……私は私のするべき事をしただけさ。次、行こうか」
「ああ!」
この感情は何なんだろう。
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bkm
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