彼が将軍に見せたのは1本の鍵。
何も言わずとも将軍は理解し、彼しようとする事に無言で賛成する。
「…………」
箱の鍵穴に鍵を挿し回すと、小さな音の後に鍵は開いた。
そして箱を開け、彼は眼を見開く。
「なっ……ぁ……」
中に入っていたのは、彼には見覚えのある物ばかり。アクセサリーや出先で買った土産物、彼が彼女に贈った物。
冊子を開くと、沢山の写真が収められている。2人や、マリアン、そしてフィンレイ・ダグ等と撮った物だった。
全て綺麗に箱に収められている。
「…………」
言葉が出なかった、何を言ったらいいのか全く分からない。
コレが彼女の“秘密”なのだとしたら、やはり彼女は迷い続けていたのか。
「……セシル……!」
膝をつき、人前にも関わらず彼は声を殺し泣いた。心の奥に閉じ込めていた感情が溢れ出す。
フィリアやチェルシーも涙を流し、スタンは歯を食い縛った。
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bkm
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