20

 ルーティとフィリアの言葉にドライデンは頷き、箱をテーブルに置かせ言った。


「飛行竜が奪われた直後……セシルの家を秘密裏に捜索し荷物を差し押さえた。どれも日用品ばかりだったが、コレだけが鍵を掛けられていたのだ。何かの罠だという可能性も無いわけではない故、無闇に開けるわけにもいかなかったのだが」

「確か……セシルが、それは秘密だって……」


 スタンの呟きにリオンは思い出す。

 慌てた様子で彼は部屋を後にし、あの日眠った部屋に向かった。


《坊っちゃん、もしかして……》

「…………」


 部屋に置いていた荷物の中にそれはあった。

 “秘密”、その言葉を共有する物。


《坊っちゃん……》

「……戻ろう」


 現実を見なければならない、例え何が待ち受けようと。

 少年は何度も自分に言い聞かせ、皆が居る部屋へと戻った。


「リオン、急にどうしたのだ」

「すみません……心当たりがあって……」


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bkm

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