ルーティとフィリアの言葉にドライデンは頷き、箱をテーブルに置かせ言った。
「飛行竜が奪われた直後……セシルの家を秘密裏に捜索し荷物を差し押さえた。どれも日用品ばかりだったが、コレだけが鍵を掛けられていたのだ。何かの罠だという可能性も無いわけではない故、無闇に開けるわけにもいかなかったのだが」
「確か……セシルが、それは秘密だって……」
スタンの呟きにリオンは思い出す。
慌てた様子で彼は部屋を後にし、あの日眠った部屋に向かった。
《坊っちゃん、もしかして……》
「…………」
部屋に置いていた荷物の中にそれはあった。
“秘密”、その言葉を共有する物。
《坊っちゃん……》
「……戻ろう」
現実を見なければならない、例え何が待ち受けようと。
少年は何度も自分に言い聞かせ、皆が居る部屋へと戻った。
「リオン、急にどうしたのだ」
「すみません……心当たりがあって……」
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bkm
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