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《では、話を戻そう。地上は抵抗をしてはみたが、天上軍には神の眼がある上に空からの脅威……戦力差は考えるまでもなく圧倒的だった。絶望……本当にそれだけだった。
 だが天上軍に――あのミクトランに下った所で、きっと絶望は変わらない……死にながら生きる事と、生きながら死ぬ事、我等は後者を選び、打倒天上軍の決意を掲げ“地上軍”を結成した。人種や思想の違う様々な人間達を取り纏める役割として私が総司令に選ばれ、更にディムロスを始めとする才能溢れる人材が現場の指揮を取ることになった。そこから地上軍は反撃の狼煙を上げる準備を続けた。彼方が科学を味方につけるならば、此方は自然を味方につけ天上軍に見つからぬ様に極寒の雪原の中に身を隠した。
 そして天地戦争が静かに激化していく中、稀代の天才と呼ばれたハロルド・ベルセリオス博士が中心となり6本の決戦兵器“ソーディアン”が完成した。それを手にしたのはディムロス・ティンバー中将、アトワイト・エックス大佐、ラヴィル・クレメンテ元老、イクティノス・マイナード少将、ピエール・ド・シャルティエ少佐、そしてハロルド博士の双子の兄であるカーレル・ベルセリオス中将の6人だった》


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