何となく思ったことを口にすると、将軍は頷いてくれた。
「その時まで、彼女を支えてあげるといい」
「……はい」
彼女に相応しい男になりたかった。
「う……」
リオンが眼を覚ましたそこは城の医務室。
覚醒しない頭で周りを見るとテーブルにはシャルティエ、そして傍には見知った顔があった。
「マリ、アン……?」
「エミリオ……良かった……」
安堵の表情を見せる彼女がどうして此処に居るのだろう。メイド長とはいえ、そう易々と城に出入りは出来ない筈。
するとマリアンは少年の疑問に気付いたのか口を開き話す。
「エミリオが心配で、無理を言って入れてもらったの……ドライデン様とは面識があったから」
「そう……」
ゆっくり頭が目覚めていくが、それを心が拒否する。その理由は分かっている。
悪夢は現実なのだと、分かっているのだ。
「マリアン……僕、は……」
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bkm
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