「あまり自分を卑下するな、こう言ってはなんだがお前達はまだまだ子供じゃないか」
「はい……」
それから将軍の部屋で紅茶を淹れてもらった少年は、遠慮がちに訊いた。
「あの、彼女の故郷等は聞いたことありますか?」
「いや、私は無いな……リオンも知らないなら、知っているのはヒューゴ殿だけだろうな」
「そうですか……」
悔しい、父が知っていて自分が知らないという事が。
そんな心情を察したらしいフィンレイは告げた。
「彼女が自分から話してくれるのを待つしかないだろうな。そうしたら、それを受け止めてあげればいい……それがベストだと、私は思うのだが」
「……そ、ですね」
本当にそんな時が来るのだろうかと不安に思うと、将軍は話を続けた。
「彼女は心優しく、そして寂しがりな人間だ。しかし何か事情があって素を表に出せない……私はそんな気がする」
「……焦っては、いけない……ということですか?」
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bkm
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