小隊を率いたドライデンが皆の前に現れたのは、それから数分後のこと。
「……大丈夫……なのか」
将軍の問いにウッドロウが答えた。
「私はともかく、他の皆を休ませてあげてください。陛下には……私が報告します」
「承知しました……、彼等を城へ」
兵士達がスタン等を城へ案内する中、リオンはドライデンへと重い身体を引き摺り歩み寄る。
「リオン……セシルは、どうした」
「……私達を脱出させる為に……1人、海底洞窟に……」
感情を無くした少年の言葉。
ドライデンは彼の肩に手を置き、その心を察する。
「……ヒューゴが、元凶です、フィンレイ様の……暗殺も……」
「なっ……フィンレイは……奴に……」
「…………」
もう、考える力すら無い。何かもが崩れて消えていく。
急に意識が消えた身体を将軍が抱き止める。
何を信じたらいいのか、分からなくなってしまいそうだ。
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bkm
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