「ふざけんなよ……」
拳を作り、青年は叫んだ。
「何がダイクロフトだ! 何が天地戦争だ! セシルは……こんな事の為にボロボロになって、それで……チクショウ!!」
ぶつけられない怒り。
ウッドロウが青年の肩に手を置いた。
「スタン君、皆同じ気持ちだ。だが今は落ち着いてくれ、状況を把握しこれからのことを考えよう。フィリア君、現在位置は分かるか?」
訊かれたフィリアは、何とか生きているモニターを見て震える声で答える。
「は、い……ダリルシェイドの近く……、あ……誰か、来ます」
「それは……人間、よね……?」
不安気にルーティが訊くとフィリアは頷き、パネルを操作する。
「七将軍のドライデン様です、此処まで来てくださる様にサインを送りました……」
そこまで言った彼女は腰を落とし、皆に背中を向けた。震えているその身体にウッドロウとクレメンテが声を掛け宥める。
prev next
bkm
[back]