出会って長くはないのにそれが分かる程、彼は純朴だ。
「セシルが羨ましいな、リオンにあんなに信頼してもらえてさ」
「リオンとはそこそこ長いからね、色々あった上で築いた信頼関係だよ。
確かに不器用過ぎて、他の人と同じ関係を築けないのが困ったものだけれど……、でもスタンだったら、リオンとは良い関係が築ける気がするな」
おかしいと、セシルは自分自身に疑問を抱く。
まるで、彼に何かを期待している様だ。
「セシルにそう言われると、もっと頑張れる気がするな」
「フフッ、なら良かったよ」
見抜かれなかった事を喜ぶべきか、悲しむべきか、彼女には分からない。
喜ぶのが正解の筈なのに。
「それにしても、見つからないな結界石……」
「大事な物だからね、そう簡単に見つかる所に置くわけが……」
階段を上ろうとした二人は、同時に足を止める。
踊り場に、道を塞ぐ様にして立っている小振りのゴーレムが二体。
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bkm
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