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『地上の民の諸君、我々の贈り物をその眼に写してくれただろうか。
 先程の光は地殻破砕兵器ベルクラント、この要塞ダイクロフトに相応しき天の光だ。当然、諸君の住む場所に照準を合わせる事も可能だ。君達は絶望したかね。絶望したのなら大人しくしている事だ、私も無駄な争いは好まぬからな。
 まあどちらにせよ、君達に我々天上軍に対抗する力は存在しない。それは何故か、お前達地上の民は愚かにも自ら力を放棄したからだ。千年前、この星を二分した“天地戦争”が終わったと勘違いし、このダイクロフトと核となる神の眼を“封印”した事こそがお前達の運命を決定付けたのだ。
 しかし突然この様な事を言っても愚鈍な諸君は混乱するだけだろう。だが私はそれでも構わない、お前達の選択肢は1つしか残されていない……それは我々天上軍に絶対忠誠を誓う事だ。そうすれば無駄な争いは無くなり、お前達の無駄死にも無くなる。
 ああそうだ、もう1つ説明しなければなかったな。このベルクラントは本来破壊兵器ではない、地殻破砕の名の通り大地を破壊し、その粉塵を用いて新たな大地――“外郭”を空に作る。この外郭が完成された時地上はどうなるのか……コレはわざわざ言わずとも分かるだろう。
 それを踏まえた上で考えたまえ、我々にどの様な忠誠を誓うのかをな』


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bkm

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