機兵達は飛行竜に攻撃を開始し、戦況は最悪のモノになっていく。
「くそっ、外に出て戦うしか……」
《馬鹿者! 今の状態で外に出ても数で負けるどころか、風圧で吹き飛ばされるぞ!》
「じゃあどうしたらい……」
何も出来ないこの状況が終わりに向かい始めたのは、駆動部に異常が発生したサイレンが響いた時。
飛行竜は急激に高度を落とし、落下する。皆は自然と低い体勢を取り、その数秒後に巨体は地面に叩き付けられた。
《スタン! しっかりしろ!》
意識が飛んでいたのは意外にも短い時間。皆はゆっくり身体を起こし、互いの無事を確かめる。
そして飛行竜を確認したが飛べそうにもない。それを分かってか機兵の攻撃は止んでいた。
「……最悪」
ルーティが呟く。確かに、何処をどう取っても状況は最悪だ。
重い沈黙の中で誰も口を開かない。
数分後、この状況に油を注ぐ声が空から聞こえた。
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bkm
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